教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.154

2016.03.18 比較文化学科 岡田 桂

マルクス、資本論、ストリップ?

 ロンドン一の繁華街・ソーホー地区に『モンタギュー・パイク』というパブ(居酒屋)があります。
 
 イギリスのパブと聞いて思い起こされるような趣のある建物ではなく、近代的なビル内にある特徴のない店ですが、店内にはソーホーにゆかりのある人物の写真やエピソードが飾られており、待ち合わせに一杯やるにはちょうど良い場所です。
 
 中でも、店内の一番奥まったボックス席には、社会思想史上の巨人カール・マルクスと彼が下宿した建物の写真が掛けられています。(写真1)マルクスはイギリスに渡ってしばらくの間、ソーホーのディーン通り28番地で極貧生活を送りながら、毎日のように大英博物館(当時、大英図書館は博物館内にありました)にこもり、後に大著『資本論』を著すことになります。この『資本論』は後の資本主義の発達と階級闘争、来たるべき共産主義革命を予言することになりました。
 
写真1(400)
(写真1)
 
 興味を惹かれ、気の抜けたビールを飲み干して(イギリスの伝統的なビールには炭酸が入っていません。でもおいしいですよ!)その番地に向かってみると、現存する建物の一階はストリップ劇場になっていました。(写真2)マルクスは『資本論』で、資本家による労働者の搾取を問題視しましたが、ある意味、性の商品化(と搾取)というきわめて資本主義的なビジネスであるストリップが、資本主義批判で世界に影響を与えたマルクスの元下宿で営まれているというのは、なんとも皮肉なことです。
 
写真2(400)
(写真2)
 
 現在、この建物はイタリア料理店「クオ・ヴァディス」が所有しており、マルクス一家が間借りした部屋(マルクス・ルーム)を予約することもできますので、ソーホー観光のついでに覗いてみてはいかがでしょうか。
 
 
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