教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.155

2016.03.25 比較文化学科 菅野 恵美

中国スタディーツアー北京訪問記

 国際文化学部比較文化学科では、2015年9月4日~10日、学生8名と共に「中国スタディーツアーin北京」を行いました。主な日程は以下の通りです。
 
1日目(9/4):老舎故居
2日目(9/5):天安門、故宮、景山、南鑼古巷
3日目(9/6):天壇、中国人民抗日戦争紀念館、盧溝橋
4日目(9/7):長城、明十三陵、熙声茶芸館
5日目(9/8):頤和園、北京大学
6日目(9/9):北京第二外国語学院、朝陽劇場(中国雑伎観賞)、便宜坊で北京ダック
7日目(9/10):帰国
 
1、水の都北京
 日本人のイメージでは、中国の水の都と言えば蘇州でしょうか。蘇州のように水が生活には結びついていませんが、北京もまた正真正銘水の都だと言えます。
 
 今の北京の位置に王都が置かれたのは、13世紀、元の大都に始まります。軍事・政治都市であった北京には、経済の中心であった江南から、大量の物資を都そして宮殿まで運ばねばならず、運河を北京城内に巡らしました。現在北京市内に残っている水路は運河の名残ですし、公園の小さな湖の多くは、運河に給水するための貯水池として造られたものです。
 
 私たちが5日目に訪れた頤和園(いわえん)は、もともと明朝皇室の園林でしたが、後に清朝末期の女帝・西太后の避暑地として現在のように整備された宮城です。
 
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 ここには大きな池があり、昆明湖(こんめいこ)と言います。昆明湖は13世紀、西北にある玉泉山や甕山(おうざん)の泉水などを引き入れ貯水し、北京の運河に水を供給するために造られた水利施設でした。関東学院大学一行が参観した当日は、快晴で日差しの強い日でした。ですが、木々や回廊の下に逃れながら参観し、また昆明湖の涼風も手伝い、避暑地を堪能しました。私は4回目の頤和園でしたが、今回は頤和園専門のガイドを頼み、その上、鄧捷(とうしょう)先生の見事な通訳のおかげで、今回が一番頤和園を楽しめました。西太后の美しい個室や、彼女に幽閉された光緒帝の閉ざされた宮殿など、とても印象に残りました。
 
写真2(400)
 
 頤和園の東隣りには円明園と北京大学があります。運河のために昆明湖に引き入れられた泉水を利用し、清代には周辺に皇室遺族の園林が形成され、大小の湖が造られました。北京大学の中にある「未名湖(みめいこ)」もその一つです。
 
写真3(400)
 
 この池に面した小高い場所には、エドガー・スノウの墓がひっそりとたたずんでいます。彼は若きジャーナリストとして『中国の赤い星』を上梓し、1930年代の国民党統治下の腐敗と中国の厳しい現状を訴えました。そして国民党および日本軍に対し、高い志を持って戦う中国共産党を全世界に紹介しました。
 
写真4(400)
 
 さて、昆明湖の水は、水路を通じて北京市内に注がれ、政治と権力の中心地である現在の中南海や北海、故宮周辺を流れていきます。冬には水路に遊ぶ野鴨の群を見かけることができます。岸辺には茶館や喫茶店・バーやレストランが並び、都会の喧騒から逃れつつも心地よい賑わいを楽しむことができる場所です。
 
2、交流の楽しさ
 
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 私の印象では、中国人はよそ者に対してとても友好的です。特に北京の人はユーモアがあっておしゃべり好きですから、様々な場所で思いがけなく交流する楽しさがあります。例えば天壇公園でのこと。この公園は将棋・手芸・トランプなど様々な余暇を過ごす憩いの場所で、一角では、京劇音楽の演奏に合わせて高らかに歌う男性がいました。ところがこの人、実は飛び入り参加で、この京劇音楽の愛好者の輪に入った、なんと警察官でした。
 
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 また別の一角では、「踢毽子(ティージェンズ)」という、羽根のついた重りを蹴るスポーツをする老人がいました。私たちはしばらく見事な足さばきを見ていましたが、自然に鄧捷先生が加わり、学生たちもこの男性から手ほどきを受けました。さらに、天壇公園の出口近くでは、スポンジ製の巨大な筆に水をつけ、石畳で書の練習をする男性に出くわしました。彼は我々一行のために「中日友好」の巨大な字を書き、引率の大内先生も「日中友好」の素晴らしい文字で返礼しました。
 
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 その足で私たちは中国人民抗日戦争紀念館、盧溝橋に向かいました。展示内容は意外に冷静で考証的でした。相手を知るために過去を知る。感想は様々ですが、これで学生ともども私たち一行は、中国で堂々と交流することができるような気がしました。
 
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3、天下の食の集まる都市
 
 北京は首都なので、当然中国全土の人・物が集まります。ですから、北京では中国全土の代表的料理を味わうことができるのです。それらは本場に近いものであったり、少し北京に合わせて材料と味を調節したものであったりします。
 
 北京は王都ですから、天下の味と食材を取り入れながら名物料理を生み出しました。老舗の点心を出す店「都一処」はシュウマイで有名です。今回幸いに、この店で昼食を食べる機会がありました。老舗にふさわしく店内の内装はシックで、客足は途絶えません。極薄の皮に花弁のように包まれたシュウマイはとても華やかで、弾力があります。ここのシュウマイは肉が新鮮なのか、少しも胃もたれしませんでした。
 
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 もちろん、最後の晩餐は前門の便宜坊で北京ダックを堪能しました。クレープのような皮以外に、小さなパンで挟み食べるというのは初めてでした。北京ダックの店はそれぞれ食べ方が違うようで、その違いも次回の楽しみとなるでしょう。
 
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