国際文化学部教員コラム vol.9
2009.09.10 英語文化学科 萩原 美津
※イギリス中部ノーリッチの書店でお薦め本として紹介されていた遠藤周作の代表作『沈黙』
英語を自在に話せるようになりたい。これは英語を学ぶ誰しもが抱く思いでしょう。
ここでは英語を話すときに必要な “spirit” を表す2つの言葉についてお話しします。
一つ目は “articulate” 。この言葉には「明瞭に発音する」という意味がありますが、
ほかに「自分の考えを言葉にして明確に表現する」という意味もあります。
この後者の意味を私が身にしみて覚えたのは、アメリカ人の友人が共通の知人について
“He can’t even articulate his thoughts”と軽蔑をこめて言うのを聞いたときです。
英語で自分の意見をうまく言えないもどかしさを感じていた私には、
彼女の容赦ない言葉が私へ向けて発せられたように聞こえたのです。
それは “Silence is golden”という英語の諺が、日常英会話においては通じないことを
実感した瞬間でした。
※イギリス全土に支店を持つレストランwagamama
二つめの “assertive” という言葉については、「自己主張の強い」という意味を
辞書で覚えて以来ずっと、 “selfish” や “aggressive” に近い否定的な言葉だと
思っていましたが、実は「自分の意見(や希望、権利など)をはっきりと積極的に主張する」
という肯定的な意味で使われていることを最近になって知りました。
他人の意見に惑わされず “assert” すること。これも英語でのコミュニケーションでは重要です。
※ ローマ風呂で有名な観光都市バースのSuperdry Store。
2003年の第1号店オープン以降、国内外で急速に拡大中。
ベッカムが着て人気に火をつけた「Osaka-Tシャツ」は店の看板商品の一つ。
“articulate”・“assertive” な姿勢を貫くためには、確固とした自信が必要でしょう。
これは一朝一夕で身につくものではありませんが、英語を自在に話せるようになる、
ということには、このようなことも重要なのだろうと思うこの頃です。
※ 健康志向の強い昨今のイギリス。
スーパーのスープコーナーには「高級スープみそ汁」が並ぶ。
※掲載した写真はこの夏イギリス各地で見かけた数々の「日本」。
海外に「日本」がどのように浸透しているのか知ることも“interactive”な(双方向の)
国際理解へとつながるのではないでしょうか?
※ ロンドンのテムズ河ほとり。
ビートルズやダリに混じりOZU(小津安二郎)の旗も河風にたなびく。
並びにはZen Café(禅カフェ)がある。
(英語英米文学科 萩原美津 先生)