教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.175

2017.06.02 英語文化学科 吉田 広毅

教育「工学」?

 私は、教育工学的なアプローチから言語学習を支援する方法を研究しています。
 
 「教育工学」というのは耳慣れない学問だと思います。「工学」が付く学問領域は他にも電子工学や経営工学、知識工学、自動車工学など様々ありますが、いずれもシステムを研究する点で共通しています。つまり、「教育工学」とは教育システムの在り方を研究する学問であるといえます。
 
 それでは、システムとは何でしょう。大まかにいえば、システムには2つの特徴があります。
 
 まず、システムには目標があります。例えば、自動車をつくるにしても、環境に優しい自動車をつくるのか、燃費の良い自動車をつくるのか、あるいは速く走る自動車をつくるのかによって、適切なエンジンや車体などの組合せは変わります。同じように教育も、知識を身につけるのか、技術を身につけるのか、態度や意識を変えるのか、目指すものによって適切な内容や方法などは異なります。ですから、大学の教員は第1回目の授業でシラバスの内容を、特に「到達目標」を強調しながら説明するわけです。
 
 続いて、システムは相互に影響し合う要素(なくてはならないもの)で成り立っています。教育の場合には、学習者や教員に加え、教材、教育機器、教育内容、教育方法、教室環境など、必要不可欠なものがたくさんあり、お互いが複雑に係り合っています。そのため、要素のひとつだけを取り出して、例えば「アクティブラーニング(AL)にはこんな効果が!」と単純にいうことはできません。誰がどこで、どのように、何を目指して学ぶのかなどによって、ALの効果は異なるでしょう。その要素をどのように組み合わせることで、学びの効果や効率が高められるのかを考えるのが教育工学という学問です。とはいえ、教育には努力によって変えることができない要素がたくさんあります。例えば、年齢です。努力によって変えられない要素があるとすれば、他のものをそれに合わせざるを得ません。ですから、私たちはなるべく時期に合った教育を行おうと考えます。本学の履修要綱の冒頭に「カリキュラム・マップ」という学びの流れを記した地図が載っているのもそのためです。
 
 そういったわけで、私は日頃、どのように勉強をすれば良いのかを尋ねられることが少なからずありますが、「一概にはいえない」というのが正直なところです。そこで、私はその人が何を目指しているのか、これまで何をどのような勉強をしてきたのか、向き不向きはあるのか、独り/グループで勉強をするのが好きなのかなど、なるべくその人の話に耳を傾けるようにしています。自分の考えを整理したい、自分の学びを見つめ直したいという方は、ぜひ話を聴かせてください。
 
 ところで、「聞き慣れない」に対して「見慣れない」とはいいますが、「耳慣れない」に対して「目慣れない」とはいわないように思います。なぜなのでしょうか…
 
 
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