教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.201

2018.12.07 英語文化学科 吉田 広毅

「時」の感覚、それぞれ

 皆さんは、「10時に集合」と言われたら、何時に集合場所に行きますか? 私は30分前に現地に到着して、近くでコーヒーを飲んでから、5分前に集合場所に移動するタイプです。
 
 さて、私は時折仕事で海外に行きます。行く先々で目に入るもの、口にするものに驚いたり、感動したり、時には「かなわないなぁ…」という気持ちになったりします。そうした目に見える文化に触れるのも楽しいのですが、目に見えない文化に触れるのもなかなか楽しいものです。そのひとつに、土地々々での「時」の感覚があります。
 
 私が好んで行く教育工学関連の国際会議が例年、春にスペイン・バレンシアで開かれます。初めてその会議に参加した際、まず、会議のプログラム表を見て驚きました。朝8時半から研究発表が始まるのですが、10時には早々とコーヒーブレークが入ります。10時と言いつつ、実際には9時半くらいからスナックが並び始め、参加者は並んだ端から食べ始めます。プログラム上では一応、10時半に発表が再開されることになっていますが、実際には皆さん、11時過ぎまで談笑しながらキッシュだのタルトだのをつまんでいます。そうこうしているうちに、13時半から昼食。15時までたっぷりと昼食をとります。ちなみに、写真は、バレンシアから新幹線で2時間半の距離にあるアリカンテ大学のナント、教職員食堂の昼食コースです(パエリアは一般的には昼に食べるものなんですよ)。
 

 

 
 で、国際会議は15時に発表を再開すると16時半に二度目のコーヒーブレーク。「16時半って、日本の学会だったら終了時刻だろ」と思いつつ、17時から最後のセッションが始まり、それが終わるのが19時。その後、21時まで懇親会です。
 
 そんなスケジュールにイライラしていた私は、そこで知り合ったマドリード大学の教員に「何度もコーヒーブレークをとって、ダラダラと昼休みをとって、結果、仕事が終わるのが21時というのはかなわない」と愚痴をこぼしました。すると、知人に、「コーヒーブレークも昼休みも十分にとらなかったら、いつ同僚とゆっくり話をする時間があるんだ? 日頃、十分に話し合いをする時間がもてずに、『飲みにケーション』で酒の力を借りて腹を割って話すのは健全なのか?」と言われてしまいました。
 
 バレンシアの国際会議のプログラムと大きく異なるのが、これまた時期が合えば行く、アメリカの英語教育関連の国際会議のプログラムです。ここでは、発表会場にコーヒーと皮つき丸ごとのリンゴと甘ったるいドーナツが置いてあって、「各自自由にコーヒーブレークをとってください」というスタイルです。わざわざ「コーヒーブレーク」などとプログラムには書きません。昼食の時間も明示されておらず、各自に委ねられます。研究発表は18時には終了し、懇親会も最終日に閉会式を兼ねて16時半に終わります。プログラム表には数百ある発表のひとつひとつの開始終了時間が分刻みで明記されており、その開始終了時間は厳守されます。そうすることで、特定の発表をねらって会場に来る人たちの時間を無駄にしないように配慮します。
 
 それぞれスペインやアメリカの会議の一例に過ぎませんので、それをもって「スペイン人は…」「アメリカ人は…」と断定するのは避けた方が良いと思います。また、どちらが良い、悪いという類の話ではありません。ただ、かつてはアメリカ式のスケジュールを好んだ私も、最近ではスペイン式のスケジュールを求めるようになってきました。
 
 だって、アリカンテ大学のような素敵な学食で、気の合う仲間とどうでもいい話をしながら、のんびりと昼食を楽しみたいじゃないですか。
 
 
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