教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.210

2019.06.10 英語文化学科 村岡 美奈

国内外のペット事情について

 3世帯に1世帯がペットを飼っていると言われている今日、皆さんのなかにも猫や犬と一緒に暮らしている人はいるのではないでしょうか。皆さんは猫派ですか、犬派ですか。2、3年前に、日本では猫を飼っている世帯数が犬を飼っている世帯数を超えたことが話題になりました。私自身も猫の可愛さに毎日癒されている一人なので、猫人気は全く不思議ではないと思っていますが、理由は可愛いということだけではなさそうです。一般社団法人ペットフード協会は、「犬はしつけや散歩が必要なため、猫に比べて負担感が大きく、敬遠につながっているのではないか」と考えているそうです。それに加え、おそらく日本の住環境も関係しているでしょう。確かに、猫は外に散歩に連れて行く必要がありませんし、犬のようにトリミングやシャンプーの必要もありません。(長毛種は必要な場合もありますが)家で一緒にごろごろしたり、おもちゃで遊んだりして満足してくれます。(うちは明け方の2時と5時にも遊んでーと起こされますが…)
 そんな私も、アメリカに住んでいるときに、フォスター・ペアレント(里親)としてアニマル・シェルターから2週間程犬を預かった経験があります。それまで犬を飼った事がなく、夕方に散歩に連れて行こうというくらいの認識だったかもしれません。しかし私のそういった安易な考えは次々に覆されました。まず、犬を迎えるにあたり、私が住んでいるアパートで面接がありました。それは団体の方が、私の人柄や日課だけではなく、受け入れるペットにとって快適な環境かどうかを判断するためです。その後、注意事項の説明がありました。担当の方に、1日3回散歩をするように言われ、最低でも2回、もし自分が2回行けなければドッグウォーカーを手配するように言われました。食べ物にも詳しい指示があり、2週間とは言えどいろいろと準備しなければなりませんでした。この経験を通し、ペットと暮らすということについて改めて考えさせられました。また、ペットは人間の日常生活にあわせるものではないということを再認識しました。
 ペットに対する人々の認識は、言葉の定義にも現れています。広辞苑によると、「ペット」は「愛玩動物」です。「愛玩」とは、「もてあそび楽しむ事。小動物などを、大切にしてかわいがること」とあります。次に英語を見てみましょう。ペットに対する愛護精神が高い事で知られているイギリスのオックスフォード英語辞書には、「ペット」は “A domestic or tamed animal kept for companionship or pleasure”、「親交や喜びのために飼われている家畜、もしくは飼いならされた動物」であると説明されています。ドイツ語はどうでしょうか。PONS独独辞典によると、Heimtier(家庭動物)は、”das zur Freude (im Haus) gehalten”「喜びのために家で飼われている」とあります。しかしドイツの動物保護施設によると、この種の動物は、「不足する人間同士のコンタクトの代替として機能」することも、「私たちをとりまく自然への橋渡し的な役割」を果たしていることもあるとあります。いかがでしょうか。
 無論、各言語には様々な辞書があり、その定義は少しずつ異なります。また、非常に残念なことにアメリカ、イギリス、ドイツにおいても日本と同じく、ペット虐待などの諸問題が絶えません。しかし、言葉の定義だけを見てみると、日本語ではペットは人間のためにある存在です。英語では、動物と人間は「仲間」なんです。ドイツ語も辞書だけを見ると、ペットは「人間の喜び」のため、とありますが、ドイツの動物保護法において、動物は「人間の同胞」として位置づけられています。また、上に述べたように、ペットは「人間に不足しているものを補ってくれる存在」となっています。それぞれかなり異なった定義になっています。しかし、日本語、英語、ドイツ語のどれを見ても、ペットはやはり人間に喜びを与えてくれる存在であるということは共通しています。私たちも、彼らの生活を幸せで豊かなものにしていることを願うばかりです。
 最後に、私自身の話しに戻りますが、私は海外に行くと、スーパーマーケットで愛猫におやつのお土産を買うことが習慣になっています。日本では猫用おやつの商品名やパッケージが可愛らしく、新しいものが販売されると、よろこぶかなと思い、つい買ってしまうのですが、アメリカやドイツでは、サーモンスティックやジャーキーのような、魚!肉!といったおやつが主流のような気がします。うちの愛猫によると、おやつはパッケージ、名前に関係なく、全部おいしいからもっともっとたくさん食べたいそうです。
 
 
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