教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.78

2012.08.24 英語文化学科 多ヶ谷 有子

国際中世学会に参加して

7月8日から約10日間、International Medieval Congress(IMC: 国際中世学会)に出席しました。IMCとは、中世に関わることならば、文学、歴史、医学、生物、法律、芸術他あらゆる分野、あらゆる国の研究領域を対象とする学会で、北イングランドはヨークシャー州にあるリーズ大学がその本拠地です。多くの大学、研究機関、出版社などと研究者との協力で、毎年7月はじめに学会が開催されます。今年も各国から多くの研究者が集まり、2000以上の発表が行われました。
緑深い清浄な大気の中、学会発表用会場と★★★★(四つ星)のホテルを備えたWeetwood Hall(ウィートウッド・ホール)(写真1)とレジデンスを兼ねたBordington(ボーディントン)(写真2)という大学施設の二ヶ所でセッションが行われます。二ヶ所の施設間は15分おき位に小型バスが往復します。セッション間の30分の休憩時間には両施設を移動したり、会場内の書籍展示を眺めたり、コーヒーやティーを飲みながら発表の続きを話し合ったり旧交をあたためます。日本からの発表者も、毎年少数ですが、参加して、特に、文学、言語、歴史、宗教などの分野の発表を行っています。

 


写真1

 

学会場とホテルを備えたウィートウッド・ホール、
1629年建造です。重厚な建物、マナーの良いホテルマン、おいしい朝食、レストランのほか、ホテル内のバーとこの建物の裏手にステイブル・バー(馬小屋バー)という名のバーがあります。滞在を楽しみながら一日中セッションで発表をしたり、聞いたりします。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 


写真2

 

ボーディントン玄関前。手前の小型バスがウィートウッド・ホールとの連絡バスです。建物の周囲は芝生と緑深い野原です。休憩時には気持ちの良い大気と景色を楽しみ憩う長閑な風景が見られます。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 

今回の統一テーマは“To follow a rule or not”(規則に従うか否か)でした。私は日本からの情報発信の意味も込めて、平安時代9世紀から11世紀の約350年間、天皇の宣旨による死刑が停止されていた史実をもとに、この間、武士である主人の命令に従うためには天皇の法に背かなければならなかったという家来のエピソードを紹介し、死刑廃止の理由やその背景について話をしました。世界に例のない史実とあって、多くの質問や感想が寄せられ、関心の深さを感じたことでした。

 


写真3

 

Post-Congress Tourで宿舎となったバンゴール大学のレジデンスです。英語とウェールズ語の二ヶ国語で宿舎の案内が記されています。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 

 


写真4

 

バンゴール大学の宿舎です。7月半ばとはいえ気温は14度くらい。覚悟をしていきましたが、寒くて、施設内のコンビニでフリース付のプルオーバーを買いました。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 

セッションの合間にも、近郊への見学旅行、吟遊詩人による中世音楽のコンサート、写本の文字(カリグラフィ)のワークショップ、中世宮廷の晩餐会などの催しやレセプションもあります。今回の一大イベントはPost-Congress Tourで、その道の権威による案内と説明付の、北ウェールズのエドワードⅠ世時代の城廻りでした。絵葉書や写真集で見る美しい風景と壮大な城郭廻りに感動もひとしおでした。
当地は平均気温が14度位で雨が降ると寒くて震えました。日本に戻ってきた時のこの暑さ、この湿気、日本の夏だなぁ、とこれまた感動したことでした。

 


写真5

 

Dolwyddelan Castle/Dolbadarn Castle
これはドルバダーン城のタワーです。13世紀のウェールズの王様であるLlywelyn(ルウェィン)が建造したということです。ウェールズは1282年にエドワードⅠ世に征服されます。この城はそうした変遷を見ていたのかもしれません。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 


写真6

 

ウェールズ北西部にある風光明媚なスノードニア、付近一帯は国立公園で、絵葉書や写真集には必ず収められている風景です。スノードン山は標高1085m、この付近では最高峰の山です。山頂まで登山鉄道があるそうです。手前のピンクの花は多分ヤナギランです。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 


写真7

 

Harleck Castle(ハーレック城)13世紀にエドワードⅠ世によって築城された城です。この部分はゲートハウスです。壮大堅固な城で、往時の姿が想像されます。ガイドブックには必ず収められているアングルです。ここをくぐるとき中世の騎士にでもなった気分になります。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 


写真8

 

Harlech Castle(ハーレック城)同じ城の別の角度から見たものです。塔の上からはるか彼方まで広がる海が見え、城の番人にでもなった気分になれます。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 

 

 

 

 

 


写真9

 

カーナボン城一画から城下を眺めるカモメ。心なしか世の中の有為転変を瞑想しているかのようで印象的でした。そばに行っても逃げる様子もなく悠々としています。現在の本当の城主はもしかするとカモメでしょうか。
(July.2012)©yuko tagaya

 

 

 

 


写真10

 

Caernarfon Castle(カーナボン城)
1284−1323年にかけて、エドワードⅠ世が建造させた、軍事、統治、都市行政という3機能を備えた名城です。世界遺産の文化遺産に登録されています。城の周りは美しい町で興味深い店々がつらなり、おいしいティー・ルームもあります。
(July.2012)©yuko tagaya

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