2022年11月11日に『日本におけるニューカマー韓国人のライフヒストリー-韓国出身のモデル・ヨンアさんと語ろう-』というテーマの元にイベントを開催致しました。

イベントの趣旨は、コロナ禍による海外への渡航が厳しくなったことがきっかけで、日本に住む外国人に母国の話はもちろん日本での生活について聞いてみたいと言うことからでした。特に、私自身が韓国と日本の比較研究をしているために、韓国出身の外国人に焦点を当ててみました。
海外で働くということは、大まかなイメージで考えると、「日本の人が外国で働く」というパターンと「外国の人が日本で働く」というパターンが考えられます。
外国で働く人といえば、皆さんはどんな職業を想像しますか?また日本で働く人とはどんな人でどんな職業を想像するでしょうか。スポーツ選手、芸能人、国際機関や国際的企業で働く人などになるでしょうか。

ここで日本で言う外国人とは「ニューカマー」と「オールドカマー」に分けられます。「ニューカマー」とは、1960年代以降、日本に来日した外国人を指し、「オールドカマー」とは、在日コリアンや中国引き揚げ者など自分の意志というより、歴史や環境によって日本に渡ってきた人々や、特別永住権を持っている方々を指します。
そこで日本で暮らす外国人の暮らしぶりを表す手段として「ライフヒストリー」と言う捉え方があります。それは個人のライフ、生涯、生活、生き方について彼らの言葉で語ってもらうと言うものです。個人の生き方や人生に焦点をあわせてその人自身の経験をもとに彼ら自身の言葉で話す内容から自己の生活、社会、文化のあり方などを読み解こうとする質的調査法の一つです。
ここに出てきた言葉の「ニューカマー」と「ライフヒストリー」をキーワードに現在日本で活躍している韓国出身のモデル・ヨンアさんを本学にお招きしました。
来日することになったきっかけや、日本の生活で辛かったことや、それをどのように乗り越えてきたのか。また、普段の仕事のルーティン、日本の芸能界と韓国の芸能界の違い、美容とファッションに関するコツなど、今後チャレンジしたいことについて語っていただきました。

ヨンアさんの話の中で「小さなことでも、何か達成出来たらノートにつけて、続けて計画を立てて、結果を出すように努力してきた。その繰り返しで韓国人初の雑誌の表紙を飾ることが叶った」という話は、学生たちにとって非常に良い刺激になったのではないかと思います。
ヨンアさんへの質問コーナーでは、学生たちは日本語だけでなく韓国語で質問するなど、とても積極的でしたが時間の関係上、残念ながらすべての質問にお答え出来ませんでした。また、ヨンアさんから学生達に色々と気遣っていただき質問した学生たちへのサプライズプレゼントもご用意いただき、ヨンアさんの優しさと心のあたたかさが感じられました。
イベントの終了後にはヨンアさんを八景キャンパスにお連れし、チャペルの見学とオルガン演奏まで聴くことが出来、ヨンアさんも大喜びでした。
今回のイベントでは、単身で来日し、女性としてキャリアを築き上げ、ビジネスも立ち上げ成功しているヨンアさんの「ライフヒストリー」をご紹介したわけですが、海外に関心があり海外で何かをしてみたいと思っている学生達に大きなヒント、キッカケになったなら幸いに思います。また一般の学生達にもヨンアさんにも、そしてイベントに参加された全ての方にとっても今回の企画は良い刺激になったのではないかとも思います!