教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.169

2017.03.03 英語文化学科 児玉 晃二

翻訳と発音

 私の専門は現代のアメリカ文学・文化で、授業や研究のかたわらで翻訳も手がけています。翻訳作業において困ることは山ほどありますが、意外に悩ましいのが「発音」です。「発音?本なのに?」と思うかもしれませんが、これがなかなか難物です。
 
 例えば、人名や地名。英語を日本語に翻訳するときには、人名や地名の発音をカタカタ表記にする必要があります。Alfredさんなら「アルフレッド」さんですし、地名もNew Yorkなら「ニューヨーク」です。作品の中に英語圏以外の人物や土地の名前が出てきたときには、たいていの場合、その言語に合わせて訳します。先ほどのAlfredさんがドイツ人なら「アルフレート」さん、フランス人なら「アルフレ」さん、ですね。また、FlorenceやViennaと言った英語独自の表記も、日本人にとってなじみのある形、つまり現地の言語にあわせて訳します。それぞれ「フィレンツェ」「ウィーン」。この辺りは有名ですね。
 
 ただ、どうしても発音がわからない人名や地名に出会うこともあります。アメリカを舞台にした小説ですと、外国から合衆国に移り住んだ人の名前や、ネイティヴ・アメリカンの言語に由来する地名の難易度が高いですね。また、英語圏以外の国を舞台にした作品の場合は、当然、それぞれの言語の発音を調べる必要が出てきて、これもまた難易度が高いです。
 
 困ったときの解決手段はいくつかあります。ひとつ目はインターネット上で音声データを探すこと。最近は様々な言語の発音サイトというものが存在します。ふたつ目はその言語にくわしい人に質問すること。とはいえ、ネイティヴ・スピーカーに質問しても発音がわからない場合もあります。最後のひとつは裏技的です。朗読CDを利用すること。アメリカでは朗読CDがとても普及しているので、たいていの作品にCD版があります。ある方の話では、自動車での長い移動中に聞く人が多いのだとか。「じゃあ、それで全て解決じゃない」と思った方、残念。朗読CDは外国の地名や人名を英語の発音に変えて読んでいる場合があるので、必ずしもそのままというわけにはいかないんですね。結局は地道に調べるか、その言語に詳しい方に聞くのが一番のようです。というわけで、現在ポーランド語に詳しい方を探しています。
 
 
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