2010.07.15.
比較文化学科大内 憲昭

南北朝鮮~分断・対立そして和解・協力~

南北朝鮮は、第2次世界大戦後に成立した分断国家の一つです。既に20世紀の終わりに、分断国家であった東西ドイツ、南北ベトナムは統一されました。21世紀の今日、第2次世界大戦終結から65年が経ちますが、今なお北緯38度線を境界に分断されたままです。

今、皆さんが新聞やテレビのニュースを見ると、朝鮮半島はかなり軍事的に緊張している報道がなされています。しかし、戦後の分断状況の中、長い間、対立してきた南北ですが、2000年6月、韓国の金大中大統領が韓国の国家元首として初めて北朝鮮を訪問し、北朝鮮の最高指導者である金正日国防委員会委員長と会談し、「南北共同宣言」に調印しました。その時から、南北間の和解と協力の関係が始まり、その象徴として、軍事的に最も緊張している北緯38度線の北朝鮮側の町、開城市の郊外に「開城工団」が造られることになりました。

【開城工団の風景】

2,000万坪(65.7km² )に工場や商業地区、ホテルなどの観光地区を建設する、というものです。土地は北朝鮮が提供し、造成、工場の誘致、建設は韓国が行い、労働者は北朝鮮の人々を雇います。現在、35,000名を超える北朝鮮の人々が働いています。

【被服工場で働く北朝鮮の人々】

【退社風景】

このような経済協力と同時に、北朝鮮側の開城市と日本海側(朝鮮では東海)の金剛山を観光地区として開放しました。

【韓国から北朝鮮の古都開城市への観光客】

2010年は、分断65年、朝鮮戦争勃発60年、日韓の国交回復45年、そして韓国併合100年です。この年月の意味を、高校生の皆さんも考えてみてください。

(比較文化学科 大内憲昭)