2010.10.28.
英語文化学科本村 浩二

Oxford大学の「アメリカ合衆国研究センター」

現在、私は英国Oxford大学にAcademic Visitorとして来ています。所属はMansfied Collegeですが、研究の拠点は、そのCollegeの背後にある建物Rothermere American Institute(略、RAI)「アメリカ合衆国研究センター」です。平日は、センター内にあるライブラリーに足しげく通い、文献を渉猟しつつ、時折セミナーなどに参加しています。ここのライブラリーにはアメリカ合衆国に関わる様々なジャンルの書籍が古い時代から現代に至るまで数多く揃っており、その点はすばらしいのですが、すべて持ち出し「不可」のため、その場で必要な本を読み終えなければならないのが不便なところです。

(RAIの外観)

(先日参加したセミナーの様子)

RAIは、2001年5月25日、アメリカ合衆国第42代大統領Bill Clintonによって設立されました(ちなみに、Clinton大統領は、学生時代に2年間Oxford大学に留学経験があります)。歴史、政治、文化(文学を含む)などの幅広い学問分野から、つまり、学際的な視点に立って、アメリカ合衆国という国への理解を深めることが、この研究センターの主たる目的です。

(RAIのエントランスに置かれた立て看板)

毎年、ここではアカデミックな行事(Seminar、Workshop、Lectureなど)や国際規模の会議が数多く開催され、ヨーロッパの学者や知識人や政治家のみならず、世界中の人々の注目を集めています。アメリカ合衆国をその外から見るという意味において、たいへん貴重な、そして意義深い研究センターであるように思われます。

(エントランス・ホールの掲示)

さて、2010年度の秋季学期Michaelmas Term(10/15〜)のスケジュール表を見てみると、概して、学部生や大学院生を対象にした歴史学や政治学関係のものが多いことに気づかされます。今学期は、現在の私の研究テーマ(「南部文学・文化」、「人種理論」)に直接関わるイベントは予定されていないのですが、南北戦争の意義をグローバルな視野から捉える “History Research Seminar” や現代作家フィリップ・ロスの小説を取り上げる “American Literature Colloquium” といった興味をそそる内容のものがあります。

(秋季学期のスケジュール表)

(RAI活動レポート<2009-2010>)

(英語英米文学科 本村浩二 先生)