アメリカ19世紀の詩人 エミリー・ディキンソンをご存知ですか?1830年にマサチューセッツ州アムハーストで生まれた現代アメリカ詩の母と呼ばれる詩人です。生涯両親の家で引きこもり気味に生活しつつも、独立心が強く、斬新で力強い作品を残しました。詩人として名を上げることには背を向け、死と永遠の魂がテーマの1800もの神秘的な詩が彼女の死後出版されました。その後たくさんの人に影響を与え続けています。
エミリー・ディキンソン(1830/12/10~1886/05/15)
2016年には伝記映画も作られています。
岩波文庫の対訳つき詩集 625円
興味のある方はぜひ手にとってみてください。
生涯の出会いになるかもしれません。
私の「19世紀アメリカ詩」の講義ではディキンソンの作品も読み味わい、皆で学んでいます。
彼女の作品の一つをここに紹介します。
I’m Nobody! Who are you? (260)
I’m nobody! Who are you?
Are you – Nobody – too?
Then there’s a pair of us!
Don’t tell! they’d advertise – you know!
How dreary – to be – Somebody!
How public – like a Frog –
To tell one’s name – the livelong June –
To an admiring Bog!
(日本語訳)
わたしは誰でもない人! あなたは誰?
わたしは誰でもない人!あなたは誰?
あなたもーまたー誰でもない人?
それならわたし達お似合いね?
だまってて! ばれちゃうわーいいこと!
まっぴらねー誰かであるーそんなこと!
ひと騒がせねー蛙のようにー
聞きほれてくれる沼地に向かってー六月じゅうー
自分の名前を唱えるなんて!
(岩波文庫 対訳ディキンソン詩集 亀井俊介編より)