クラシック音楽の中にヨーロッパの民族(俗)音楽の系譜を聞き取っていくというテーマは、
この地域の文化史ばかりでなく、政治や経済の歴史にも大いに関係があります。
最近は、「ウィーンの民衆と音楽」に関する論文をいくつか手がけていますが、
思わぬ事件が音楽史の1ページに関わっていることに、新鮮な驚きを感じます。
ゼミの研究テーマも、アジアであれ、南米であれ、世界史の知識なしには語れません。
地理や歴史に関心が高いことが、民族音楽学の方法論をやさしくする糸口になります。
さらに、音、響きへの鋭敏な感性と、多様な音楽ジャンルへの寛容な耳が要求されるでしょう。
(バリ島の民族舞踊)
音楽は楽しい、
でも、文字や言葉を通して共感に導くことは、難しいと言わざるを得ません。
多くの知的で頑張り屋の皆さんが、この研究室の歴史を築いてきたことに
感謝しています。
(バリのケチャ)
(比較文化学科 藤原怜子)