2013.03.30.
比較文化学科井上 和人

地元の皆さんと学びあう

関東学院に赴任して2年。まだまだ日は浅いのですが、さまざまなご縁にみちびかれ、地元の皆さんと学びあう機会が増えてまいりました。今回は、そうした取り組みから紹介してみたいと思います。

◇湘南国際村文学同好会
昨年9月に誕生したばかりの同好会です。横須賀市湘南国際村にお住まいの皆さんを中心に約25名、月1回のペースで、西鶴の『西鶴諸国ばなし』を読み進めています。読みながら、大いに楽しみ、大笑いしています。「勉強会」でもなく「読書会」でもなく「同好会」。実にうまいネーミングだと思います。西鶴の浮世草子とは、もともと楽しむためのもの。お勉強のための本ではありませんからね。テキストには自前のプリントを使っているのですが(写真を載せました)、世話役さんは「前もって読んでおきたいので、1週間前には原稿を下さい」という。熱心でしょう! 学生に爪の垢でも煎じて……、おっとグチをいうのはやめておきますか。

◇かねさわ歴史の会
発足して約30年、会員約70名の由緒ある会です。これまでに2回、お話しする機会をいただきました。1回目は、西鶴の『世間胸算用』から2話を選んで読みました。それはそれで楽しんでいただけたご様子なのですが、そこはやはり「歴史の会」、ぜひ次は文学の歴史(つまり文学史ですね)の話を、とのご依頼。だいたい、文学史の授業というのは、大学では不人気科目のひとつ。ところが、ここでは大ちがい。文学史のリクエストが来るなんて、びっくりです。びっくりついでに、3回目のお約束もしてしまいました。

◇葉山町民大学
葉山町の主催で、本学および本学の生涯学習センターと人文科学研究所が後援する名物講座。今年で19年目になります。会場は葉山セミナーハウス。掲載した写真を見てください。今年はこんなに立派な冊子ができました。私がお邪魔するのは、昨年につづいて2度目。皆さんと西鶴の作品を読みました。こうした人数の多い講座では(今回の受講者数95名!!)、講師の話が終わると、「では解散、さようなら」という場合が多いのですが、ここはちがいます。休憩時間には、お茶とお菓子が出て、受講者どうし親睦を深め、お仲間になることができる。本当にすばらしい「大学」だと思います。

今回、ご紹介した会には、いずれも気の利く世話役さんがいらっしゃいます。そうした世話役さんのお陰で、私も気持ちよくお話をさせていただいております。お名前こそ出しませんが、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。