2014.01.24.
比較文化学科大内 憲昭

朝鮮半島の分断を38度線から見る NO.3

写真1)JOINT SECURITY AREA PAN MUN JOM ©Noriaki Ouchi

写真1は南側に掲げられている看板です。映画「JSA」でお馴染み。写真2は韓国側(バスの中)から北側を撮影した写真で、中央の建物は北側の「板門閣」。実は、韓国からの「板門店観光」は厳しい規制が多いので写真も自由に撮れません。むしろ意外ですが、北朝鮮の方が比較的自由に写真撮影ができます。因みに韓国の板門店ツアーでは以下の注意事項を守らなければなりません。

「3.下記の規定に違反する場合、板門店の見学ができません。
服装規定:作業服、レザーの服(全ての色)やジーンズ(但し、色落ちや破れの全くないものであれば可)、半ズボン、ミニスカート、袖なし・襟なしTシャツ、派手な服、身体に密着する服、軍服スタイル、トレーニングウェア、サンダル、スリッパなど不可。ブランドのロゴが模様となって全体を覆っているマフラーやジャンバー等不可。スポーツチーム等のロゴが大きく入った服や帽子不可」

写真2)南側からバスの中で北側を撮影。中央の建物が北側の「板門閣」©Noriaki Ouchi

写真3は「本会議場」(青い建物の中央)の中です。この中だけは自由に往来ができるので「軍事分界線」を超えることができ、写真撮影も外とは違い自由です。写真4は本会議場の中から撮影した軍事分界線(中央のコンクリート)です。北(写真の左)から南(写真の右)へ、南から北へ、この30センチの幅はいつ、超えられるのでしょうか?

写真3)本会議場の中。南側から入ったので「国連軍」兵士(米軍兵)が監視に立つ。テーブルの中央が
「軍事分界線」。兵士の前に「国連旗」があるが、そこがまさに「軍事分界線」の上。©Noriaki Ouchi

写真4)この幅30センチ程度のコンクリートが「軍事分界線」。
左は朝鮮民主主義人民共和国、右は大韓民国。©Noriaki Ouchi

北から参観者が本会議場へ入ると、それを警備する朝鮮人民軍の兵士があの30センチ幅のコンクリートの北側で警備に立ち(写真5)、それを建物の陰から半身を隠して「国連軍」兵士(実際には米軍兵士)が監視しています(写真6)。やはり、この板門店に立つと、アジアにおける軍事的に対立している最前線であることを緊張感をもって痛感する事になります。そしてこの状態は60年間続いていることを忘れてはならないと思うのです。

写真5)北側から本会議場に入ると、それを警備する朝鮮人民軍警備兵が歩哨にたつ。©Noriaki Ouchi

写真6)北からの参観者を建物に半身を隠して監視する「国連軍」兵士(実際は米軍兵士)©Noriaki Ouchi