2024年6月25日から27日にかけて、天皇皇后両陛下はイギリスを公式訪問されました。実はおふたりは今から4年前の2020年に、当時のエリザベス2世女王(在位1952~2022年)からご招待を受けていたのですが、その直後にコロナ禍が蔓延してしまい延期されていました。そこへ女王陛下のご逝去となり、今回はあらためてチャールズ3世国王(在位2022年~ )によるご招待となりました。
いつもは雨ばかりのイギリスも、この時期は珍しく天気がよく、初日から快晴となりました。こちらの写真は、バッキンガム宮殿前の大通り「ザ・マル」ですが、日英の国旗が鮮やかにはためいておりますね。イギリス陸軍の近衛騎兵連隊総司令部で国王夫妻と会われた両陛下は、そこからこの大通りを通って宮殿へと向かわれました。
その日の晩は宮殿にて晩餐会です。こちらの写真はその直前のひとコマですね。天皇陛下が佩用(はいよう)されているのは、イギリス最高位のガーター勲章です。中世以来、ヨーロッパでは王侯同士がお互いに勲章を贈り合い、それを着けながら晩餐を摂ることがお互いの友好の証となっております。日本も明治(近代)になってから勲章制度を設け、そのような慣例を築き上げていきました。
天皇陛下は明治天皇以来、日本人でガーター勲章を授与された5人目の人物ということになります。チャールズ国王も、かつて昭和天皇から贈られた大勲位菊花大綬章(だいくんいきっかだいじゅしょう)を佩用されていますね。
晩餐会は、お料理やお花、女性の王族・皇族方のティアラだけではなく、勲章によっても見事に彩られ、さらにはふたつの国の友好関係を物語ってくれるものなのです。 今回の両陛下のご訪英にあたり、NHKの「ニュースウォッチ9」やテレビ朝日の「報道ステーション」などで解説させていただき、朝日・読売・毎日・日経・産経の各新聞にも私のコメントがでましたが、このように君主同士の交流については、8月4日のオープンキャンパスでも「王様は何でえらいの?」という体験授業でお話しさせていただきます。是非いらしてくださいね!