2025.11.13. 教員コラム

松村 聡子「走れメロス」読書会を企画・実施しました!

 10月末に「走れメロス」の英語劇の公演が大学内で行われることになりました。観劇前に気分を高め、より深く理解するための準備企画として、初めて読書会を開催しました。

 若者の活字離れが進む昨今、大学生といえども本を読むことに抵抗を覚える人が増えているのも、残念ながら事実です。どうやって学生の参加を募るか、というのが一番の悩みどころでした。そこで、英語文化学科の助けを借りて学科主催の形にしてもらい、読書会への申し込み者のうち、「希望した先着20名に文庫本をプレゼント!」という企画にしました。加えて文庫本配布時に、実際の読書会に備えてもらおうと「読むポイントミニレクチャー」を行うことにしました。

 当初、「『走れメロス』は今までに読んだことあるし、なんで今さら…」という雰囲気もないではありませんでした。でも、本を読むことの魅力のひとつは、かつて読んだことがあっても、時を経て改めて再読すると、以前読んだときは何とも思わなかった場面に強く心を動かされたり、以前その作品を読んで感じたこととまったく違ったふうに感じたりすることが往々にしてある、ということです。すぐれた作品は、読み直すたびに私たちに新たな発見を与えてくれるのです。

 読書会当日は、くじ引きでグループを決め、グループのメンバーそれぞれに「1分間自己紹介」をしてもらってから、話し合いのセッションを始めました。どのグループも話が盛り上がっていて、中には意見が分かれて議論が白熱しているグループもありました。グループごとの発表では、同じテーマを選んでいても、導き出された結論がグループごとにまったく違っているものもあって、私自身も、「確かに、そういうふうに考えることもできるわね!」と感心しきり。とても楽しかったです。

読書の秋に、本を読む楽しさや、本を読んで意見交換する楽しさを少しでも多くの学生に感じてもらえたら嬉しいです。