この画像の立派な建物、なんだかわかるでしょうか?
入り口は女性・男性に別れています。そして「1等」「2等」と等級も別れていますね。実はこの建物は19世紀に建てられた公衆浴場(プール兼銭湯(兼洗濯場))なのです。
イギリスではコレラの流行や清潔概念の浸透などの結果、労働者階級の人々の健康管理—いかにして清潔にさせるか—が公衆衛生の政策課題になりました。1846年には「公衆浴場および洗濯場法」が制定され、各地に公衆浴場が整備されます。
イギリスで一般家庭に内風呂が普及する1950年代頃まで、公衆浴場は多くの庶民にとって身近なものでした。もっとも、イギリスの場合は共同で入浴する習慣はないため、一人用に区切られた個室風呂でしたが。
「銭湯」というと何かとても日本的なイメージがあるかもしれませんが、ヨーロッパ文化圏のイギリスにもこうした浴場があったことは、少し意外かもしれませんね。