教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.206

2019.05.17 英語文化学科 吉田 広毅

ワカメ? Wakame?

 土地々々の料理や食材の名前をみると、その土地の食習慣や食文化がみえてきます。一般的には、その地域でよく食べられるものは名前が細かく分けられ、あまり食べられないものは大まかにしか分けられません。よく知られているのが、食肉の英語名や海藻の日本語名です。英語では、食肉の名前を生育期間によって分けることがあり、例えば羊肉は、生後12か月未満であればlamb、12~24か月であればhogget、24か月以上であればmuttonと呼びます。日本では、スズキやブリなどの出世魚と呼ばれる魚を、大きさや生育段階によって異なる名前で呼びますね。海藻は、日本ではワカメ、ヒジキ、アオサなどと区別しますが、英語ではみなseaweedです。
 みなさん、「日本は海に囲まれていて海産物がたくさん採れるから、名前を細かく区別するんだろう」と思われたでしょうか。ところが、海産物の名前は、必ずしも日本で細かく分けられているとも、海外で大くくりにされているとも限りません。例えば、日本語では甘海老も赤海老も、伊勢海老やオマール海老ですらみな「エビ」ですが、英語ではエビを形状や生物学的属性等によってshrimp、prawn、lobsterなどに区別します。日本語ではスルメ「イカ」、ヤリ「イカ」、コウ「イカ」ですが、スペインでは「イカ」をcalamar、chipirón、sepiaなどに区別します。面白いのが貝類です。日本にはハマグリ、アサリ、カキなどの特定の名称の貝があるのに対して、アメリカにはmussel(ムール貝)、abalone(アワビ)、oyster(カキ)などが、スペインにはnavaja(マテ貝)、tellina(桜貝)、ostra(カキ)などの特定の名称の貝があります。こうしてみてみると、カキは世界中で愛されているのでしょうか。
 
 さて、中国・天津で羊鍋を食べたときのことです。出てきた肉があまりにみずみずしく、美味しそうだったので、英語を話す店員に「これはlambか?」とたずねました。かえってきた答えは、「いや、それはsheepだ」です。脳裏に毛がモコモコの、メーメー鳴いている羊が浮かび、一瞬食欲をなくしました。日本語で「ヒツジの肉だ」といわれても肉の塊しか想像しないだろうに、英語で「sheep」だと言われて羊一頭を想像してしまったのは不思議なことです。
 
 一方で、スペイン・バレンシアでのできごとです。せっかく本場に来たので、パエリアを頼もうと思い、迷いつつも(バレンシアといえば、トリ肉、ウサギ肉にモロッコインゲンなどが入ったパエリアなので)シーフードパエリアを注文しました。出てきたのは、写真の品です。
 

 
 「どこがシーフードなんだ。エビしか入ってないじゃないか。」と思ったかた。よーく見てみてください。ちゃんと、gamba(芝エビ)もlangostino(赤エビ)もcigala(手長エビ)も入ってるじゃないですか(すこしだけcalamarも入っていますが)。
 
 そんなバレンシアでの話をもうひとつ。バレンシアでは最近、健康志向から、wakame(ワカメ)を食べるのが流行っているのだそうです。そんなバレンシアのバルで頼んだイワシとwakameの小品です。
 

 
 Wakame…
 
 
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