教員紹介

国際文化学部教員コラム vol.226

2021.01.06 英語文化学科 安藤 潔

音楽の愉しみ

 今回は専門とは全く関係のない私の趣味、音楽について語ります。私にとって音楽とはクラシックで、他のジャンルは全く関心ありません。私が初めて音楽をいいなと思ったのは中学の音楽室、1960年代前半から半ば、当時普及していたLPレコードによる音楽室での名曲鑑賞以来です。まず好きになったのはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とかビゼーの組曲『アルルの女』、特にあのフルート独奏のメヌエットが好きで、フルートを吹いてみたいという気になりましたが、機会はありませんでした。一方当時大流行のビートルズには目もくれず、ロックやフォークにもほとんど関心はありませんでした。
 聴く方では、ソノシートで英語の勉強もするということで小型のステレオを買ってもらい、なけなしの小遣いで月に一枚程度のペースでLPレコードを購入していきました。最初手に入れたメンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』の裏にはチャイコフスキーの同じく『ヴァイオリン協奏曲』が入っていて、現在に至るまで愛好曲です。交響曲ではお決まりのベートーヴェンの『運命』とシューベルトの『未完成』に始まり。『英雄』、『田園』そして最後の第九、合唱付きから標題のないものも次々と聴いて行きました。当時のLPは片面に30分前後しか収納できませんから、第九のような長い曲になると第3楽章の途中で裏面に移るようなこともあり、かなり都合の悪いこともありましたが、さらにモーツァルトやハイドンも聴いて行きました。
 高校生になった頃は自己紹介の場でもベートーヴェンの交響曲が好きだといって顰蹙(ひんしゅく)を買ったものです。こうして十代のころは勉強する裏で常に音楽を流して聴いていましたが、音楽のおかげで勉学によく集中できたのかもしれません。歌謡曲やポップス、ロックでは受験勉強の効果的なバックグラウンド・ミュージックにはならなかったのではと思います。いずれにせよ心から好きでなければ長続きはしません。いつの間にか音楽を聴くことは私の生きることそのものになって行きました。CD専門店の標語にありますが、 “No Music, No Life” は私にとっても人生のスローガンでした。
 音楽が好きになってから中高の成績でいつも一番いいのは英語と音楽でした。楽器はできませんでしたが、当時は歌も結構得意でした。高校の選択でも迷わず音楽を取りましたが、部活は活発ではなく、身近にはアマチュアの交響楽団はおろか吹奏楽団もなく、オーケストラの本格的な楽器に触れるチャンスはついぞありませんでした。しかし高一の秋に近隣の大きな町にあったプロのオーケストラが私の町に来演し、初めてクラシックのライブを聴くことができました。こうして生演奏のコンサートに行くこともおぼえ、大学入学後は年に数回一人で聴きに行くようになりました。
 後年、生まれて間もない子供のいた家族と離れて、初めてロンドンに長期研究滞在した時、一人きりの徒然(つれづれ)を慰めるためにコンサート通いをしました。主な会場はシティのバービカン・センターとテムズ川南のサウス・バンク・センターでした。シェイクスピア劇も観ましたが、ロンドン市内や欧州大陸からの主要なオーケストラを比較的安い価格で聴けたことを覚えています。
 その後CD時代になり、興味はブラームスからブルックナーやグスタフ・マーラーらの長大曲へと広がりました。横浜に赴任してからは関東地区でのコンサート通いが始まりました。特に立派なパイプオルガンを完備したホールでは、サン=サーンスの『オルガン交響曲』(第3番ハ短調作品78)などが栄え、新たな愛好曲となりました。
 しかしながら、2020年はコロナ禍、1月に数枚前売り券を無駄にした後、コンサート通いは中断です。ベートーヴェン・ワーズワス生誕250年にとんだ災難でした。
 以下、よく行くホールです。
 

みなとみらい大ホールのホワイエ(ロビー)から見たパシフィコ横浜:
右が本学の入学式・卒業式が行われる国立大ホール、左は展示ホール、間にわずかながら港の一部が見えます。
 

横浜市西区紅葉ヶ丘の神奈川県立音楽堂、桜木町駅から徒歩10分
昭和29年創立の、公立施設としてはわが国初の音楽専用ホール。
ロンドンのサウスバンク、ロイヤル・フェスティバル・ホールをモデルにしたという。
 

JR川崎駅西口のミューザ川崎、個性的なシンフォニーホールは3F以上の部分。
 

東京都港区赤坂1丁目にあるサントリー・ホールのエントランス
 

東京都新宿区西新宿3丁目にある東京オペラシティ・コンサートホールのエントランスに向かう通路。
ホールにはタケミツメモリアルという名が付されている。
最寄りは京王新線初台駅。
アクセス通路は超近代的だが、入口は意外と平凡。内部は個性的。作曲家の武満徹氏が設計からオープニング企画まで深くかかわったが開館を待たずに逝去、「タケミツメモリアル」の名が贈られたという。
東京オペラシティにはほかにリサイタルホールがあり、東京オペラシティ街区には新国立劇場、近江楽堂、ICC(Intercommunication Center)などがある。
 
 
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